感覚の違い

自分の感覚が正しいものとして、通常人は生きています。
当たり前のことではありますが、これは非常に大切なことであるとも思われます。

何故ならこの感覚自体が、人の相性、人付き合いをして行く上で重要な役割を果たすからでありますが、それはときに常識という言葉に置き換わっているときもあるようです。

そしてそれは生きていく上、特に人付き合いの上で非常に重要で人によってはゆるぎないものと感じている人も多くいることでしょう。
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しかし 海外に出ると日本の常識というものは通じないと言うことが時には起こります。
その違いに起こる人もいれば、そのまま溶け込んでいるタイプの人もいるようです。

そんな ちょっと不思議に感じた話を少し・・・・・・

フィリピンには、沢山の人たちが住んでおりそれぞれの状況の中で生きています。
裕福な人・普通の人・貧困を抱える人・それ以下の人たち・・・それぞれの常識の中で生きていますが、面白いと感じるのは、それぞれの常識をお互いが許容しながらある意味で共存しているところがあります。

その区分けや感覚的に理解しているかと言えば、それほどでもなくなんとなくこんな感じか程度ではあります。

私がお世話になっている会社には、掃除の人がいます。
この方は掃除だけを専門にする人になりますが、日本なら圧倒的に年配の女性が多いところですが、こちらでは女性もいますが男性もそういった仕事についています。

当然 フィリピンの最低賃金に属する人たちになるのだと思います。
実際の賃金も以前確認しています(仕事がらみで)が、正確には忘れました。

そして男性と言っても、20代の健康そうな男性がやっているケースも多くあるようです。
別にと言えばそうかもしれませんが、日本ではまず見られない光景です。
日本で見られないわけを少し考えると、そこには常識や当たり前の世界が大きくずれているという事に気づかされます。
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ちなみにそいつは、体格もよくヒゲをはやしています。
例えば軍隊にいても何も違和感を感じないようなタイプ(マッチョではありません)です。
当然 日本ではありえないことです。
そして、毎日毎日掃除だけを永遠にやっています。

もし私たちがそういう仕事をしなければならないとしたら、私たちはどう感じるか?
そう考えると、日本人の気持ちでは非常に陰鬱になるのが普通と思いますが、それが実に明るいし他の人とも普通に会話をして楽しそうに笑いながら仕事をしています。

自分は自分であることが、許容されている世界なのかも知れませんが、これは我々にとって驚異的なことであるように思います。

フィリピンは、仕事がなかなか無い国といわれており、出稼ぎが多い国ですので仕事があることがありがたいと感じる側面はあると思いますが、そこに悲壮感のかけらも感じないのは正直「すごい」と思います。

もちろんそれは表面的な話なのかも知れませんが、毎日顔を合わせますので多少話したことはありますが、そこには日本が持つような悲壮感や屈折はなく、なにかあっけらかんとしていました。

そして、もう一つおどろいたのは、彼のトイレの掃除方です。
日本のトイレ掃除といえば、長靴とマスク、そして長いゴム手袋を使用しています。
それはトイレに対して、汚い・不浄であるという感覚的なものもあるのでしょうが、もし自分がやる事になればやはり同じように感じると思います。
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しかし彼の掃除方法は、少し違っています。

いつものようにトイレに行こうとすると、トイレの前にスリッパが揃えておいてありました。
「一体 なんなんだろう?」
そう思いながら、トイレのドアを開けるとそこには、裸足でモップを持った彼が明るい笑顔で
「Good morning, Sir!」
と、人懐っこい笑顔で声を掛けてきました。

「おおー!」
と、心の中でおどろきながらも普通に挨拶はしましたが、床一面に水をまいて、モップで掃除しながら素足でそこに立っている彼は、まるで子供が水遊びをしているようにも見えました。

トイレを使っていいと言うので、とりあえず用を足したのですが、床の掃除を終わった彼は今度は私の隣の便器を布掃除を始めていますが、もちろん素手です。

そして、掃除をしながら時々こちらに人懐っこそうな笑顔を向けてきます。
とりあえず微笑み返しましたが、心の中では一体なんなんだろうか?
もちろん トイレに対する感覚の違いと言うものは、当然あるのでしょうが、それにしてもこの屈託の無い笑顔に何か底知れないものを感じました。

ふと、「常識とはなんだろう?」、そんな疑問を考えざるを得ませんでした。
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あれから2年、今も彼は楽しそうに素足でトイレ掃除をしています。

*とくに年齢を聞いたことはありませんが、彼はおそらく20代前半、元ラッツアンドスターの鈴木雅之似の色黒で元気な若者です。
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by squeu | 2013-02-26 22:02 | ikokuにて・・・


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